モロッコ遊牧民探訪記

遊牧民との生活。ロバとの旅の記録

ロストバゲッジ@パリ

  • 1-2日目 パリ

 パリで早速、ロストバゲッジに遭った。通算4回目。

 航空会社は中国国際航空関空発北京経由でパリには午前7時前に到着した。私はこれまで乗継便を利用した場合、50%の確率でロストバゲッジに遭っている。そのため入国審査を終えてベルトコンベアの前に立つとき、「出てこないかもしれない」という思いを毎回抱く。だから驚きはしない。

 もしこれからパリに何日か滞在するなら、係員に宿の住所を伝えて後日届けてもらえばいい。しかし、私は午後9時にモロッコ・ウジダ行きの便を控えていた。しかもウジダは中古自転車を買ったらすぐに出発するつもりで、その後はトドラ渓谷まで気ままな自転車旅だ。バックパックにはテントや寝袋が入っているので、面倒なことになったと思った。しかし、今回は運がいいことに(?)、係員によると私のバックパックは午後5時にパリに到着、つまり空港で10時間じっと待てば再び再会できるということだった。

 これがマドリードなら、バルをはしごすべく街に繰り出しただろう。だが、パリは、ひとりで町を歩いたりカフェに入ったりしても、何だかさびしくなるだけな気がした。バス代も空港と市内の往復で30ユーロ(約4千円)かかるという。そういうわけで、初めてのパリは空港から一歩も出ず、野田知祐の「日本の川を旅する」を読みながら過ごすことにした。帰国したらますますカヌーの旅がしたくなった。