モロッコ遊牧民探訪記

遊牧民との生活。ロバとの旅の記録

2018-01-01から1ヶ月間の記事一覧

ノマドQ&A

村に下りてきたとき、私の噂を聞いた日本人らから「ノマドってどんな人たち?」「普段何してるの?」などと聞かれることが多い。中には別の宿からわざわざ私を訪ねてくれる人もいる。こうした反応は、意外だった。というのも、私がやっているのは、ほとんど…

ノマドの食事

タジンとパン、スープ。特別な日を除くと、この3つがノマドの日常メニューだ。私が滞在したイハルフ一家の食事の様子は以下のようなものだった。 朝:スープ、パン 昼:パン、ナツメヤシの実=放牧組 タジン、パン=待機組 夜:タジン、パン、(スープ)=…

遊牧初日(後半)

パンとナツメヤシの実の昼食を食べ終え、13時45分出発。少し登ると、平らな広い場所に出た。こぶし大の岩がごろごろ転がっている。イハルフは横になってうとうとし始めた。私もそれにならう。周囲の岩山は地肌がむき出しだから、眺めていると雲の動きが…

ベルベル語辞典②例文編

このページでは、私がノマドから直接聞いた日常的な言葉を掲載します。私の備忘録なので、ほかの人には参考にならないと思う。単語や基本的な日常会話はベルベル語辞典へ。 ※このページは随時更新します。 日常会話 ・アンドゥ アヌゴン さあ寝よう ・ノハル…

遊牧初日(前半)

ノマド生活2日目 日が昇ったのは午前8時を過ぎていた。ここは四方が山に囲まれているため、太陽の出が遅いのだ。モロッコはこの時期、陽が出ればうっすらと汗をかくほどだが、なければジャケットを着ても寒い。テントから出ると、既に全てのヒツジが外に出…

家族を照らす炎

ノマドのもとで2泊し、山を下りてきた。食料の買い出しのためだ。初登りの日はテントや毛布、水を運ぶので手一杯で食料を十分に運び込めなかった。今日(11日)はトドラの村で一泊。明日また山に戻る。 今朝、お世話になっているノマド一家の主人イハルフ(…

今日からノマド生活

Todgha Gorge(トドラ渓谷) この旅の目的地の一つであるトドラ渓谷には、12月30日に着いた。宿は去年も長居させていただいた「Maison D'hote la Fleur」。日本人女性である典子さんとベルベル人青年ユセフが営む宿だ。屋上にテントを張らせてもらい、毎…

元ノマドの話

12、13日目 Rish→Imilchil(イミルシル)→Tamtattouchte(タムタトゥーシュ) 約1年ぶりにイミルシルに帰ってきた。イミルシルは標高2500㍍、モロッコで最も標高の高い「町」だ。私は早速、前回宿泊した宿「GITE DETAPE」に向かった。主人のゼイは、私…

モロッコ警察

11日目 Zeida近郊→Rish 朝、テントを片付けているとき、受付の男から声をかけられた。男は、サムスン製の携帯電話を私に差し出した。 「昨日、モロッコの電話番号を持っていないと言っていただろう。今後、警察と連絡を取るためにも持っていくといい」 「…

アトラスの砂漠

10日目 Imouzzer Marmoucha→Boulemane→Zeida近郊 ホテルの前の通りは、朝から人であふれていた。町の中心の広場で、週1回の市が立っていたのだ。野菜をはじめ衣料、日用品、靴、寝具、大工用品など、生活に必要なすべてのものが、このマーケットで手に入…

乗り合いバン

9日目 Ighzrane→Imouzzer Marmoucha この日2つの目の峠にたどり着いたとき、後ろから1台の乗り合いバンが追いついてきた。乗せてもらおうかなという考えが一瞬、浮かんだ。今日はすでに20キロを走っているが、この辺りは人の匂いがまるでしない。山は、…