モロッコ遊牧民探訪記

遊牧民との生活。ロバとの旅の記録

2018-04-01から1ヶ月間の記事一覧

50年に一度の大雪

朝、雪が落ちる音で目が覚めた。ドアを開けると、猛吹雪。昨夜は雪など全く無かったというのに、一晩にして、ひざ丈まで積もっている。強風で目も開けていられないほどだ。1月29日。モロッコ南部では50年ぶりの大雪が降った。私はトドラ渓谷から75キ…

ラバとロバ、それから犬の話

ラバとロバ。食糧や水を山の頂上に運ぶための、欠かせない生き物だ。アハマド家が所有するのはラバ1頭とロバ4頭。1頭でも死ぬと、生活への大きな打撃となる。1頭の値段は1000DH(約1万2千円)前後。それは彼らの全財産に匹敵する。 最も重要なの…

季節ごとの移動

ある日の放牧で、昔ノマドが住んでいた場所を通りかかった。崩れた岩がごろごろ転がっている。家畜の糞も見当たらないことから、かなり昔のテント跡らしい。イハルフは中に入っていくと、「俺たちは昔、ここで暮らしていた」と言った。 「アハマドがまだ強か…