モロッコ遊牧民探訪記

遊牧民との生活。ロバとの旅の記録

三度目のモロッコ

モロッコの首都

カサブランカやマラケシュは知っていても、ラバトは聞いたことがないという人は多いだろう。ラバトはモロッコの首都である。しかし、人口規模的には国内7位くらい、地理的にも中途半端な場所に位置し、「地球の歩き方」には中ごろになってようやく登場する…

喧騒のマラケシュ

マラケシュにくるたび、私はいつも別の国にきたかのような錯覚に陥る。フナ広場の喧騒、溢れんばかりの観光客、充満する排気ガス・・・。初めてこの町に来たときから、この町がいっこうに好きになれない。 スーク(市場)の狭い道には大勢のバイクが行き交う。…

旅を終える

今回はとりあえず報告だけ。あれから、ジョンダルミの署長に直談判しに行った。いくつか条件はつけられたものの、なんとか登山許可を得ることができた。その後、遊牧民家族と一週間共に過ごし、今日山を下りてきた。ロバも喜んで引き取ってくれた。 (私のロ…

最後のピンチ

遊牧民の友人にロバを託し、旅を終えるはずだった。なのに、彼らに会いに行くことができない。 トドラ渓谷に到着して四日目、私はいよいよ遊牧民がすむ岩山を登ることにした。彼らの家はここからロバ道を二時間ほど登ったところにある。宿の前で荷積みをして…

トドラ到着

無事、大西洋まで辿り着き、アトラスの旅は終わった。その後、車を何台も乗り継ぎ、三日前、一年ぶりにトドラ渓谷に帰ってきた。ロバを運ぶとなると通常、数万円はかかるはずだが、驚くべきことに、車はすべて警察が無料で手配してくれた。 今年一月から三月…

殺害事件に思う

18日未明にアトラス山中で北欧ツーリスト二人が殺害された事件で、19日までに容疑者四人が逮捕された。私も二ヶ月以上、アトラスを単独で旅し、被害者と同じくテントの中で寝ていたところを強盗犯に襲われた経緯があるので、とても他人事とは思えず、ここ数…

北欧の女性旅行者が殺害されたらしい

2018年12月中旬、トドラ渓谷でゲストハウスを営む日本人・三原典子さんから驚くべきメールが届いていた。私はその時、モロッコ南西部アガディールにいた。 昨日 イムリルでノールウエイの女子学生ふたりが多分テントを張って寝ていたところ襲われて殺…

アトラスの終点

12/13 ついにティズニットに到着した。この町はアンチアトラス山脈の西の終点、つまり旅の終着点だ。ミデルトから歩いた総距離は1400キロくらいだろうか。これまで視線の先には必ず山があったので、今日は変な気分だった。目の前にあるのは平坦な荒野だった…

トラディショナル・ハウス

12/6 タフロウト この日はロバの鞍を修理するため町に出かけた。町中をロバと歩くと注目を浴びるため気が進まないが、鞍は8kgくらいある。ロバに乗せて行った。ロバはこの二日間、木に繋ぎぱなしだったので、久しぶりの散歩に少しはしゃいでるように見えた。…

強盗に襲われました

11/10深夜、男2人組に寝込みを襲われました。 場所はタムダ湖(Lake Tamda)。ワルザザートから50キロほど北にある、標高2670mの山中にある小さな湖だ。人里から5時間以上離れており、ふつうなら、夜に人が来るはずがない場所である。私は湖畔にテントを張り…

川渡りの少女

◽️旅を始めて3日目。その日は雨だった。谷間に続く道が突然途切れ、目の前を川が横切っていた。増水したせいで道路が冠水しているのだった。流れが速く、ロバは怯えて前に進もうとしない。他に渡れそうな場所がないか川沿いを歩いたが、切り立った崖に阻まれ…

イミルシル到着

一週間かけてイミルシルに辿り着いた。私にとって四度目のイミルシルだ。 その間、いくつものベルベル人の村を通り過ぎた。どの村もきれいな小川が流れており、ポプラは黄色に染まり、真っ赤なリンゴがたわわに実っている。地面に落ちたリンゴは拾って食べて…

ロバを買う

10/15 フェズに到着した私は、すぐにバスに乗ってミデルトに向かった。ミデルトは標高1500メートルの高原にある人口約4万人の町である。この町で私はロバを手に入れ、旅をスタートさせる。タイミング良く翌日は週1回のスーク(青空市場)が開かれ、家畜の売…

12日出発。ルート変更

ようやく航空券をとった。今月12日関空発、翌朝バルセロナ着。早朝モロッコのフェズに飛ぶ。当初は大西洋側のアガディールでロバを買いアトラスを東に縦走する計画だったが、ロバとともに海抜0メートルから標高2,3千メートルまで上るのは難しそうなの…