モロッコ遊牧民探訪記

遊牧民との生活。ロバとの旅の記録

2017-11-01から1ヶ月間の記事一覧

初めてのモロッコ④峡谷地帯を歩く

その道を選んでしまったことを、私は後悔していた。なぜなら、それは道ではなく、正確に言うと干上がった川床だったからだ。大きな石がごろごろ転がった砂利道では自転車を漕ぐこともできず、押しながら歩くしかなかった。 トドラ渓谷を出発した私は、15キロ…

初めてのモロッコ③砂漠で見た恋

日本人女性は海外でモテる、とよく言われる。モロッコでは確かに真実だと思う。私はサハラ砂漠のほとりで、まさに現在進行中の恋を垣間見た。 メルズーガという小さな町でのことだ。人口は千人ほどだが、ここでは日本人女性と砂漠の民ベルベル人のカップルが…

初めてのモロッコ②自転車はたのし

モロッコを自転車で旅するのは楽しかった。 テトゥアンを出発した私は、リーフ山脈の麓にある青の町シャウエンを経て、古都メクネスを目指した。日本人にとってモロッコといえば、砂漠=乾燥した大地というイメージが強いと思う。だが、北部は地中海の香りが…

野田知佑の「旅へ」を読んだ

モロッコとは全然関係ない話だが、野田知佑さんの「旅へ」を読んだ。 著者は「ツーリング・カヌーイスト」の草分けとなる存在で、これまで欧州や北米など世界各地の川をカヌーで旅してきた人だ。それに関する著作もたくさん発表している。その道では超がつく…

初めてのモロッコ①マラケシュを目指す

マラケシュに行こうと思った。 そのとき私はポルトガルの首都・リスボンにいた。マラケシュといえば、これまでにすれ違った旅人からいろいろな感想を聞かされていた。話題の中心はいつもフナ広場だ。曰く、「あそこに行けばモロッコの全てが味わえる」。また…

調査地と方法など

この冬予定しているモロッコ再訪の目的は、いずれ消えゆくノマドの暮らしを記録すること。そのため、彼らとともに生活してみたい。知りたいことはたくさんある。1日をどのように過ごすのか、何を大切にしているのか、ノマド同士の話題は何か。言葉と文化を…

私とノマドの出会い

その〝家〟を見たとき、率直に感じたのは、「今の時代に、こんなところに住む人たちがいるのか」という驚きだった。固いトゲがついたラクダ草が点在するだけの乾燥した岩山。その斜面に、大きな穴が5つ、6つ。ただ掘るという、最も原始的な手法で作られた…

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