モロッコ遊牧民探訪記

遊牧民との生活。ロバとの旅の記録

帰国しました

 今月中旬、ぶじに帰国しました。

 前に、遊牧民やロバ旅について、帰国後くわしく報告すると書きましたが、それは今すぐには難しそう。実はいま、この二つを題材に文章を書いています。もともとそんな野望は微塵もなかったんですが、アハマドにロバをプレゼントするためトドラ渓谷に戻ってきて、警察に止められてるときに、これはもしかしたら物語として書けるのではないかと思ったのがきっかけ。

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強盗致傷被害に遭ったタムダ湖(ワルザザート州)。ここでカメラを失う

 ロバとの旅は今振り返ると、面白かった。もともと動物好きでもなんでもなく、ただ荷物を運ばせるために買ったのだが、もの言わぬ友人として私を支えてくれた。土の道に響く蹄の音は、いつも私に落ち着きと安心感を与えてくれた。孤立した山中で強盗にあったとき、もしロバまで盗まれていたら、そもそもロバを連れていなかったら、旅を続ける気力は湧いてこなかったかもしれない。それだけ今は愛着を感じている。というようなことをこの前フェイスブックに書いたら、友人から「毎日叩いていたくせに」と突っ込まれた。確かにその通りで、旅の間は心の底からこいつはアホなんじゃないかと思っていたし、道草ばかり食うので毎日のように怒りを爆発させていた。ロバに愛着を感じ始めたのは、トドラ渓谷に着いてから、つまり旅を終えてからだ。

 それでもまたロバと旅したいと思う。今度はアラビア語をきちんと勉強して、モロッコからエジプト、シリア、そしてアジアへ、そんな旅を何年もかけてやったら楽しいだろうな。